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工場型(泉南型)石綿国賠、関西スレートの元労働者の和解成立

2020.12.04

2020年12月3日(木)、ダイスレ工業(株)(旧関西スレート(株))尼崎工場(尼崎市)で働き、中皮腫で亡くなった元労働者の遺族が、国に損害賠償を求めた訴訟について、国との和解が成立しました。当弁護団が担当し、大阪地方裁判所に提訴していました。

被害者は、1968年から約13年間、旧関西スレート(株)尼崎工場の工場建屋内において、石綿スレートなどの検品・出荷立会、運搬作業などに従事しました。国は、労災記録上、被害者が従事していた検品等の作業場所が屋内であったか否か不明であるなどと主張し、和解に応じようとしませんでした。しかし、一般的に考えて、新製品を雨ざらしの屋外に置くはずはなく、被害者は、石綿スレート等が製造されていた工場内の検品室ないし事務室で働いていたと考えるのが自然です。当弁護団では、旧関西スレート(株)尼崎工場の石綿労災認定者に関する文書提出命令申立を行って関係証拠を入手したり、被害者と同じ工場で働いていた親族の陳述書を作成するなどして、被害者の作業内容・作業環境を丁寧に立証。今回、ようやく和解に至りました。

本件の原告は、遺族として開示請求した死亡被害者の労災記録が開示されなかったため、全国で初めて、アスベスト労災記録の開示を求めて国を提訴し、勝訴した方です。国の不合理な対応のせいで、大変な労力と時間がかかりましたが、無事に和解できて良かったです。

*大阪アスベスト弁護団[アスベスト労災記録の開示を求めて国を提訴

*大阪アスベスト弁護団[石綿労災記録の不開示違法の勝訴判決確定

当弁護団では、石綿紡織工場や石綿製品製造工場だけでなく、豆炭あんか製造工場,自動車クラッチ・ブレーキの製造工場、研究所職員、自動車整備工、継手バルブへのパッキン取り付け作業、電車の車両製造の内装部品の加工組立作業者、麻袋再生工場作業者、造船工場内作業者、石綿製品の検品作業者等・・・様々な職種や作業に従事した被害者ついて、工場型(泉南型)国賠訴訟を提起し、次々と和解しています。なお、勤務先企業から補償を受けた場合でも、国に賠償金を請求できる場合があります。

アスベスト被害にあわれた方で、国に賠償金を請求できるのかどうか聞いてみたい・・・という方は、遠慮なく当弁護団までご相談下さい。

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