【建設アスベスト訴訟】大阪2陣(地裁)第21回期日
2020.11.022020年10月30日(金)午後1時15分から、大阪2陣(地裁)の第21回期日が開かれ、原告本人尋問が行われました。3人の原告はいずれも中皮腫を患い闘病中。体調不良をおしての出廷でしたが、自らの仕事や被害をしっかり証言し、裁判官に生きているうちの早期解決を訴えました。
◇NFさん(68歳)は、1968年から約50年間、大工として働きました。2019年6月に胸膜中皮腫と診断され、抗がん剤治療や胸膜摘出手術を受けています。現在は、咳や痰、息切れのほか、食欲も減退し、日常生活にも大変な苦労をしています。前回7月3日の尋問期日途中で体調不良となり、主尋問(原告代理人からの質問)しかできなかったため、今回の期日で反対尋問(被告代理人からの質問)が行われました。最高裁判決を意識した国や建材メーカーからの質問にも、的確かつ明快に証言したのが印象的です。
◇Kさんは、静岡県在住の58歳。1979年から約40年間にわたって大工として働き、戸建住宅や工場、マンション、アパートなどの工事に携わってきました。2017年11月の健康診断で胸膜が厚いことを指摘され、2018年10月に胸膜中皮腫の告知を受けました。仕事を続けたいと考え、抗がん剤治療後に、肺を温存して胸膜を剥がす大手術を受けましたが、体力がもたず仕事は断念。術後9カ月後に中皮腫が再発し、再手術をしましたが、4カ月後にまたもや再発しました。主治医からは、もう手術ができないと言われてオプジーボに望みを託しましたが、効果が見られず、現在は別の抗がん剤治療中です。Kさんは、退院2日後に法廷に臨み、「中皮腫は本当に怖い病気」「中皮腫は憎いが、国や企業はもっと憎い」と訴えました。「今3歳の孫の記憶に残るまで生きたい」というKさんの願いは切実です。
◇NIさんは、愛知県在住の59歳。1985年から2002年までのまでのうち約10年間、現場監督して働きました。58歳の誕生日を迎えて間もない2019年5月に胸膜中皮腫と診断され、抗がん剤治療、左胸膜・左肺の全摘手術も受けましたが、今年9月に中皮腫が再発、余命1年と宣告されました。NIさんは、23歳で建築の専門学校を卒業した後、45歳で一級建築士に合格。建築の仕事はNIさんの人生をかけるに値する仕事でした。クライアントが安心して家を建てることができるよう、クライアントと職人の橋渡しをしたいと、53歳で独立して設計事務所を立ち上げましたが、中皮腫とわかってからは、治療に専念するため、仕事を受けていません。「これからというときに手足をもがれて、無念です」と胸の内を語りました。
◆関西建設アスベスト訴訟の当面の期日(予定)
2021年2月5日(金)14時 2陣地裁第22回期日【大阪地裁202号法廷】
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