疫学リサーチセンター関西支部総会 - 大阪アスベスト弁護団

疫学リサーチセンター関西支部総会

2022.08.02

2022年7月19日(土)、アットビジネスセンター大阪梅田において、NPO法人職業性疾患・疫学リサーチセンター関西支部第13回定期総会が開かれ、当弁護団の4人を含め約30人が参加しました(オンライン併用)。

総会では「NPO法人ストップ・ザ・アスベスト」理事長の上田進久医師による記念講演が行われました。

1つめは「阪神・淡路大震災 アスベスト調査の再検証」と題する講演。
当時、白石綿(クリソタイル)濃度しか計測されていないこと、リスク評価も公表されていないことが報告され、震災がれき処理等にあたった作業員のほか、住民やボランティア、公務員などハイリスクの方々への注意喚起や検診などの受診勧告、また、震災アスベスト被害の実態調査や追跡調査としての検診体制の確立が提言されました。

2つめは「『西宮 旧夙川短大校舎解体におけるアスベスト飛散事件』の裁判結果と今後の課題」と題する講演で、行政による「アスベスト隠し」との闘いの経過を詳しく報告いただきました。解体業者、発注者(所有者)、西宮市を被告とした裁判は、住民ら原告が敗訴しましたが(神戸地裁令和元年4月16日判決)、監督機関である行政(西宮市)に、アスベストについて積極的な調査義務や権限行使義務を認めた点で大きな意義があります。

建物解体工事に伴うアスベスト飛散防止は、将来の被害を防ぐために決定的に重要ですが、制度が不十分なうえ行政や業者の意識も低く、また、裁判で解決するのは困難な問題です。

NPO法人ストップ・ザ・アスベスト」が、地域住民のリスク問題として、市民から世論を盛り上げようと、裁判終了後も息長く取り組んでおられることに感銘を受けました。

 

 

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