震災がれき収集による中皮腫の公務災害訴訟、神戸地裁で原告勝訴! - 大阪アスベスト弁護団

震災がれき収集による中皮腫の公務災害訴訟、神戸地裁で原告勝訴!

2021.03.27

2021年3月26日(金)、阪神・淡路大震災の時にがれき収集作業に従事した明石市職員Sさんが腹膜中皮腫を発症して亡くなった件について、神戸地方裁判所(泉薫裁判長)は、「公務外」の災害と認定した地方公務員災害補償基金の処分を取り消し、原告勝訴の判決を言い渡しました。

判決は、Sさんの業務は認定基準の石綿ばく露作業には該当しないとしつつ、日常的に石綿粉じんにばく露する業務に従事したこと、ばく露期間と潜伏期間は認定基準を満たすこと、他に有力な発症原因も認められないことなどを指摘し、発症と業務の因果関係を認めました。

また、判決は、「公務災害か否かは基準を機械的に適用することなく、業務の特性や被災当時の環境などを踏まえて個別的に判断すべき」とし、石綿粉じん飛散量に関する客観的データがないことは、震災後の社会状況からやむを得なかった、腹膜中皮腫が胸膜中皮腫よりも高濃度ばく露で発症し、潜伏期間が長いとされている点についても、医学的に未解明な点があることをもって「被災職員を不利益に扱うことは相当でない」とするなど、被災者を救済する方向で事実関係を丁寧に検討しています。

Sさんは、2012年に腹膜中皮腫を発症し、2013年に49歳で亡くなりました。困難な裁判に立ち上がった遺族原告Sさん、苦しい闘いを支え続けた支援者の方々、画期的な勝訴判決を勝ち取ったアスベスト訴訟関西弁護団の皆さんに、心からの敬意を表します。そして、基金には、控訴せず、直ちに判決を受け入れることを望みます。

阪神淡路大震災から26年が経過し、これから震災アスベスト被害が本格化することが懸念されます。危険性の周知徹底と共に、平時からのアスベスト対策が急がれます。

*NHK[神戸地裁 震災がれき回収でアスベストによる公務災害認める

*読売テレビ[震災アスベスト訴訟 明石市職員の遺族勝訴

*神戸新聞[震災アスベスト「公務災害」認定 喜ぶ原告側「救済の間口広げる判決」

*神戸新聞[震災アスベスト訴訟で原告勝訴 「公務災害」初の認定 神戸地裁

*毎日新聞[震災がれき中皮腫死訴訟 明石市職員の公務災害認める 神戸地裁

 

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