学校体育館の天井の吹付石綿、劇団員2名がアスベスト労災認定
2020.12.17
2020年12月16日(水)、「中皮腫・アスベスト疾患・患者と家族の会」は、学校の体育館などで舞台公演を行った劇団俳優2名がアスベスト労災認定を受けていたと発表しました。
2名は、東京都内の劇団に所属。1960年から1970年代半ばまで、全国の小中学校の体育館やホールなどで公演し、舞台設営などの際、石綿が吹き付けられた天井に照明器具を取り付ける作業などに従事して、肺がんや中皮腫に罹患したとのことです。雇用契約のないフリーの俳優でしたが、実質的な労働者と認められ、労災認定されました。
体育館等の学校施設では、吹付アスベストが多用されており、欧米では学校教員は石綿被害の危険職種とされています。日本では、石綿救済法認定を受けている学校教員が207名にも上りますが(2018年度まで)、仕事が原因と認められた労災・公務災害の認定はごく少数。「中皮腫・アスベスト疾患・患者と家族の会」では、劇団をはじめとする舞台芸術関係団体や、学校関係者に対して石綿曝露の危険性を周知徹底してほしいと、文部科学省や関係団体に申し入れをしています。
*産経新聞[劇団俳優2人、石綿疾患で労災 設営で吸引、がんや中皮腫に]
*日刊スポーツ[俳優2人、石綿疾患で労災認定 肺がんや中皮腫発症]
*朝日新聞[舞台設営で石綿…中皮腫の劇団員、アスベストの労災認定]
*弁護士ドットコム[アスベスト被害、元劇団俳優に労災認定「余命宣告されても、絶対あきらめない」]
*中皮腫サポートキャラバン隊[劇団俳優・演劇関係者のアスベスト労災(肺がん・中皮腫)]