日本のアスベスト死は毎年2万人超、世界第3位の石綿被害大国(最新のGBD推計)
2020.10.212020年10月17日(土)、世界保健機関(WHO)などによる共同研究「世界疾病負荷(GBD:Global Burden of Diseases)」推計が更新された(GBD2019)。
長年、アスベスト被害をはじめ様々な労災・職業病に取り組んで来た全国労働安全衛生センターは、さっそくホームページ上でGBD2019の解説記事を掲載している(【速報】最新の世界疾病負荷推計によると、日本におけるアスベスト死は毎年2万人超で、世界第3位のアスベスト被害大国/2020年10月17日更新)。
以下は同記事からの抜粋。救済制度の抜本的な見直し・充実とともに、日本でも早急に被害実態の調査を行うべきである。
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卵巣がんと咽頭がんは、日本ではいまだに労災保険や石綿健康被害救済制度の対象疾病として明記されていないが、国際がん研究機関によって認められているように、ともにアスベスト曝露が原因となる可能性があることは国際的に認知されていて、このような推計まで示されている。
日本では、中皮腫以外の石綿関連疾患による死亡の推計は示されていないので、GDBはきわめて貴重な情報源である。とりわけ、労災保険や石綿健康被害救済制度等による「隙間ない救済」の実現状況を検討するうえで重要なことは明らかであろう。残念なことに、現実の肺がんの補償・救済状況は中皮腫にも届いていないのだが、GBD2019は、アスベストの職業曝露による肺がんは、中皮腫の約11.5倍生じていると推計しているのである。
卵巣がんと咽頭がんも早急に補償・救済が可能な対象とすべきである。
GBD2019では日本におけるアスベスト死は2014年以降、毎年2万人を超えていると推計されている。ちなみに、速報値による2019年度の労災保険・石綿健康被害救済制度による補償・救済件数は、中皮腫、肺がん、石綿肺、びまん性胸膜肥厚、良性石綿胸水の5疾病合わせても2,131件と、約1割にとどまっている。
2019年に世界で24万人をこす人々がアスベスト曝露の結果として亡くなっているという状況である。
日本のアスベスト疾患による死亡数は、アメリカと中国に次いで、世界第3位である。
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