労災認定を受けていない塗装工(塗装会社の経営者)について、建設アスベスト給付金が認定された事例(情報提供サービスを利用せず、通常請求によって認定された事例)
2023.04.19被災者Aさんは、昭和30年から個人事業主として塗装工事に従事。昭和40年代初めに法人化して塗装会社を経営していましたが、その後約40年間、従業員と一緒に現場に出て、自ら塗装作業に従事していました。
現場を退いた後の平成30年に悪性胸膜中皮腫を発症。環境再生保全機構に申請して、石綿健康被害救済法(以下「石綿救済法」)の認定を受けていましたが、2年後に亡くなられました。
ご遺族から大阪アスベスト弁護団にご依頼があり、令和4年5月に建設アスベスト給付金の通常請求用の請求書を提出。
Aさんの「建設業務に関する従事歴を証明する書類」として、会社の「商業登記簿謄本」、Aさんの「社会保険記録(被保険者記録照会回答票)」を提出したほか、一緒に働いていた従業員から弁護士が聴き取りを行い、詳しい「就業歴証明書」を作成して提出しました。
その結果、令和5年1月の審査会で給付金認定がなされました。請求から認定までの審査期間は8ヶ月でした。
なお、Aさんのご遺族は、給付金認定後、建材メーカーに対する訴訟も提起しています。
Aさんのケースのように、労災認定を受けておらず、環境再生保全機構による石綿救済法の認定を受けている場合でも、建設作業に従事していた方やそのご遺族は、給付金が請求できる場合があります。
もっとも、労災認定を受けていない一人親方や個人事業主・会社経営者、ご遺族が請求する際の手続・資料収集は必ずしも容易ではありません。就業歴を証明してくれる従業員や同僚等がいても、何をどのように証明してもらえば良いのかについて、専門的な知識や経験が必要な場合もあります。
建設アスベスト給付金の追加資料でお困りの方は、長年、建設アスベスト訴訟に取り組み、最高裁判決を勝ち取った私たち弁護団にぜひご相談ください。
全国の類似ケースなどをもとに、どんな資料をどうやって集めれば良いのか、丁寧に事情をお聞きしたうえ、証拠収集のアドバイスやお手伝いをさせていただきます。
(執筆担当:弁護士 伊藤明子)
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