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長年「一人親方」として働いてきた方が「労働者」として勤務した期間を特定して労災認定された大工の事例

2023.04.19

Tさんは、大工として約50年働いたところで肺がんを発症。何か補償を受けることはできないかと、大阪アスベスト弁護団のホームページを探して相談されました。

長年「一人親方」として働いてきたTさんは、特別加入もしていなかったため、労災申請を諦めていました。しかし、弁護士が話を聞いたところ、大工の親方に弟子入りしていた当時は、親方に使用されて賃金の支払い受けており、紛れもない「労働者」でした。その後、一人親方として複数の工務店を転々としていた間にも、法的には「労働者」と評価できる職場が複数ありました。

もっとも、それらの工務店はすでに廃業し、事業主とは連絡が取れませんでした。そこで、弁護士が、住民票等を調査して1人の元事業主の現住所を探し出し、Tさんがその住所地を訪ねたところ、元事業主と再会でき、同工務店の労働者であった旨を証明してもらうことができました。

一方、肺がんの原因がアスベストであると評価するためには、一定の所見を記載した診断書が必要であり、Tさんはその診断が難しい症例でした。そこで、弁護士がTさんにアスベスト疾患の専門医であるM先生をご紹介し、Tさんが受診したところ、必要な診断書を作成して頂くことができました。

さらに、戸建住宅専門の大工であったTさんが石綿建材にばく露した状況を明らかにするため、元事業主や元部下の職人からヒアリングし、陳述書を作りました。

こうした準備に1年弱を費やし、労災申請しましたが、もまもなく容態が急変し、Tさんは亡くられました。後を引き継いだご遺族が手続きを進め、申請から約1年後、最初のご相談から2年後、ようやく労災認定の決定がありました。ご遺族は、Tさんに代わり、引き続き、建設アスベスト給付金の請求、建材メーカー訴訟の提訴を行う予定です。

 

Tさんのように、長年「一人親方」として働いてきた方でも、具体的な事情によっては「労働者性」が認められ、労災認定が受けられるケースがあります。このような難しい事案の解決には、専門的な知識・経験に基づき、徹底的に調査することが必要です。

私たち弁護団は、困難な事案でも粘り強く検討・対応し、相談者にとって最良の解決を実現するために、あらゆる手段を尽くします。

 

【執筆担当:弁護士 八木倫夫】

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