基本合意書に基づく国との継続協議(第1回)
2022.06.232022年6月14日、私たち「建設アスベスト訴訟全国連絡会」と国とが締結した基本合意書に基づく第1回の協議が開かれました。
国からは、厚生労働省の吉永和生労働基準局長、小林高明大臣官房審議官ら6名が、全国連絡会からは、清水謙一事務局長、小野寺利孝東京弁護団共同代表、当弁護団の村松昭夫団長を含め各地の弁護団長ら9名が出席しました。
議題は、基本合意で約束された①石綿被害を発生させないための対策、②石綿関連疾患の治療・医療体制の確保、③被害者に対する補償に関する事項の3点。
とりわけ、被害者に対する補償について、現状では、国だけが給付金制度を創設・運用し、建材メーカーが参加していない問題について、極めて重要な課題であるとの認識を共有し、今後も引き続き協議を続けていくことを確認しました。
建材メーカーは、補償基金制度に参加しないどころか、最高裁判決後も様々な口実で裁判の長期化を図り、被害者が泣き寝入りすることを狙っているとしか言いようのない、不当な対応をとり続けています。
2021年5月17日の最高裁判決までに、建設アスベスト訴訟を提起した被害者は全国で約1000名。このうち国との間では、判決または和解により9割が解決済み。加えて、2022年4月末時点で給付金認定が330件に上っています。一方、建材メーカーとの間では、最高裁で勝訴が確定した1割しか終了していません。
建設アスベスト被害の全面解決には、国が主導的役割を果たすことも重要です。建材メーカーによる補償のあり方については、国がこれを検討し、必要があれば所用の措置を講ずることが、建設アスベスト給付金法附則2条にも定められています。
私たちは、各地の建材メーカー訴訟においてより高水準の勝訴判決を積み重ねつつ、国とも粘り強く協議を続けながら、建材メーカーにも資金を拠出させた「補償基金制度」の創設を目指します。
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