看護師の石綿労災認定、タルクでゴム手袋再利用作業
2020.06.05
福岡県内の元看護師の女性が中皮腫を発症したのは、医療用ゴム手袋を再利用する作業の際、アスベストが混入したタルク粉を吸い込んだことが原因だとして、2020年1月に労災認定されていたことが分かりました。被害者を支援している「中皮腫・アスベスト疾患・患者と家族の会」によると、同様の作業で医療従事者が労災認定されるのは全国で3例目とのことです。
タルク(滑石)は、医薬品や化粧品、ゴム製品、ベビーパウダーなど広く使用されている鉱物ですが、不純物としてアスベストが含まれていることがあります。
2020年5月19日、アメリカに本社を置くジョンソン・エンド・ジョンソン株式会社(J&J)は、タルクを原料とした製品(ベビーパウダーなど)の北米(アメリカ・カナダ)での販売を中止すると発表しました。日本では今後も販売を継続するとしており、問題と言わざるを得ません。
*NHK福岡[手術用手袋再利用で石綿労災]https://www3.nhk.or.jp/fukuoka-news/20200604/5010008157.html
*毎日新聞[ゴム手袋滅菌作業でアスベスト吸引 福岡の元看護師の労災認定]https://mainichi.jp/articles/20200604/k00/00m/040/259000c
*全国労働安全衛生センター連絡会議[胸膜中皮腫の看護師に労災認定、アスベスト混入タルクで:ゴム手袋の再利用作業。九州で初めて/久留米労基署]https://joshrc.net/archives/2744