期間減額された建設アスベスト給付金について審査請求を行い、期間満額の請求が認められた事例
故Sさんは、長年、現場監督として働き、平成26年にアスベストによる肺がんで亡くなりました。
故Sさんが亡くなった後、遺族が行った労災申請が認められましたが、故Sさんは一人親方の期間が長かったため、労働者として認められたアスベストばく露期間は約2年と短期間でした。
そのため、その後に認められた建設アスベスト給付金においても、ばく露期間10年未満として10%の期間減額がされていました。
そこで、当弁護団が代理人となって、期間減額された建設アスベスト給付金について審査請求を行い、10年以上のばく露があることを裏付ける追加資料や関係者からの聞き取り書を提出。その結果、故Sさんの主張が認められ、期間満額の給付金が支給されることになりました。なお、この期間満額の支給決定は、最初の決定を厚生労働省が自ら取消し(自庁取消しといいます。)、新たな決定を出す形で行われました。
当弁護団には、実際には10年以上、建設作業に従事していたにもかかわらず、建設アスベスト給付金が10%減額されてしまった方からのご相談が多数寄せられています。
故Sさんのように、追加資料を提出して満額支給されるケースもありますので、ご自身の判断で諦めずに、まずはご相談ください。
(執筆担当:弁護士 繁松祐行)