「石綿セメント管」を取り扱った「水道配管工」の建設アスベスト給付金請求が認められた事例
昭和30年代から40年代にかけて、水道管には「石綿セメント管」が良く使われていました。
昭和50年代以降も、「石綿セメント管」の敷設や補修・取替え・撤去工事に従事した際に、石綿粉じんを吸い込み、中皮腫や肺がん、石綿肺などの病気を発症した方がおられます。
道路の下などに水道管を敷設したり、補修・取替えたりする作業は、建物の中で行うわけではないことから、建設アスベスト給付金を請求した場合、屋内作業であったことにつき、追加の資料提出を求められるケースがあるようです。
しかし、地面に深さ1~2mの穴を掘り、「石綿セメント管」を高速カッターなどで切断・研磨すると、狭い穴の中でもうもうとした粉じんが立ちこめ、屋内と同じように滞留します。
そのため、「石綿セメント管」を取り扱った水道配管工も、「一定の屋内作業場で行われた作業に係る建設業務」として、建設アスベスト給付金の対象になる場合があります。
大阪アスベスト弁護団では、建設アスベスト訴訟において、「水道配管工」のほか「温泉管配管工」の石綿粉じんばく露作業についても詳しく立証し、いずれも国と和解しています。
給付金認定審査会の審査方針では、「同種事例の裁判例も踏まえて、関係者の証言や申述等の内容が、当時の社会状況や被災者が置かれていた状況、収集した資料等から考えて、明らかに不合理でない場合には柔軟に事実を認定すること」とされています。
当弁護団には、建設アスベスト訴訟において、多数の裁判例・和解例を獲得した実績があります。
建設アスベスト給付金の追加資料でお困りの方は、まずはご相談ください。
(執筆担当:弁護士 伊藤明子)