断熱材製造会社で事務員として働いていた方が中皮腫で死亡し、示談交渉により和解金の支払いを受けられた事案
【事案の概要】
Xさんは1970年代の約5年間、M社で事務員として勤務していました。M社は、Xさん勤務中の3年間に石綿を原料とする断熱材を製造しており、Xさんの勤務していた建物と同じ敷地内にその製造工場がありました。その後、Xさんは悪性胸膜中皮腫をり患し、そのため死亡しました。
Xさんは事務員であり、直接的にその断熱材の製造作業に従事したり材料となった石綿に接触する機会はなかったようですが、M社勤務時以外に石綿を吸い込む機会はないことから、Xさんの遺族から依頼を受けた当弁護団がM社と交渉した結果、2018年、示談交渉が成立し、和解金が支払われることになりました。
【本件のポイント】
事務員の方であり、直接的に石綿を扱う仕事ではありませんでしたが、M社以外に石綿ばく露の事情がなく、和解ができた事案です。
(執筆者 弁護士 高橋早苗)