工場内で設備保全業務を行った労働者について、示談交渉により非鉄金属メーカーから高額の和解金支払いを受けられた事案
1 事案の概要
Xさんは、1970年に非鉄金属メーカーであるL社に入社し、1973年頃から1996年までの約23年間、設備保全業務に従事しました。L社のコーディング・プレス工程の部品に石綿が使用されており、Xさんは、その部品巻き替え時の工事立会い業務を行っていたことから、石綿にばく露しました。Xさんは、2018年に悪性胸膜中皮腫と診断され、2019年2月1日に亡くなりました。
Xさんの死亡後、L社からはXさんの遺族に弔慰金の支払の提示がありましたが、極めて低い額であったため、当弁護団がXさんの遺族の代理人として交渉を行いました。その結果、L社からは、裁判で認められ得る慰謝料と同水準の和解金が支払われることになりました。
2 本件のポイント
Xさんは設備保全業務に従事した方です。
依頼を受けた当弁護団において石綿ばく露状況を明らかにして勤め先企業の責任を明確にすることにより、当初の提示額を大幅に上回る和解金を勝ち取ることができました。
(執筆担当 弁護士 繁松祐行)