A社事件(造船会社/船舶の修理作業/下請会社の従業員) - 大阪アスベスト弁護団

A社事件(造船会社/船舶の修理作業/下請会社の従業員)

 2011年9月17日、大阪地方裁判所は、A社の専属下請会社N工業所の元従業員Xさんが良性石綿胸水、びまん性胸膜肥厚及び胸膜中皮腫を発症した事案につき、元請会社であるA社に対して4652万円の支払いを命じました(Xさん本人は提訴後に亡くなり、遺族が訴訟を承継しました)。

 Xさんは、1967年から約40年間、N工業所に勤務して、修繕船の修理作業に従事。判決は、Xさんが、断熱材やパッキンなどの石綿製品の取り外し作業の際に石綿粉じんにばく露し、中皮腫などに罹患したと認定したうえ、A社の従業員が現場監督を務めており、Xさんら下請会社の従業員に対しても作業や安全管理を指示していたことから、元請会社であるA社の責任(安全配慮義務違反に基づく損害賠償責任)を認めました。A社側は、中皮腫の原因はタバコであると主張し、論文も提出しましたが、裁判所は仮説にすぎないとして排斥しました。

 「船はアスベストの塊」と言われるほど、かつてはアスベストが大量に使用されていました。そのため、造船作業従事者にはアスベスト被害が多く、業種別の労災認定では、建設業に次いで多いのが造船業です。大手の造船会社には、自社の従業員(正社員)がアスベストによる労災認定を受けた際の上積み補償規程を有している会社もあります。一般に、下請会社の従業員への補償は手薄ですが、この事件のように、元請会社の法的責任が認められる場合があります。

 なお、この事件は2012年2月13日に大阪高裁で和解が成立しています。

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