2020年権利討論集会
2020.02.192020年2月15日(土)、エル・おおさかで開かれた「2020年権利討論集会」に弁護団、建設アスベスト訴訟の原告が参加しました。
権利討論集会は、大阪近郊の労働組合、市民団体、弁護士、学者・研究者が参加し、労働問題を中心とした今後の権利闘争を議論する場として毎年2月に開催されています。48回目の今年は、京都精華大学専任講師である白井聡さんの記念講演「『戦後の国体』の終焉」のほか、7つの分科会が開かれました。
■関西建設アスベスト大阪訴訟の原告Tさんの訴え
私の夫は、3年前、アスベストによる悪性胸膜中皮腫という病気で、66歳で亡くなりました。
私は、夫の主治医から悪性胸膜中皮腫と告げられたとき、その病名を知りませんでした。インターネットで調べたところ、私は、その内容に愕然としました。肺やその他の臓器にミクロン単位の小さなアスベスト繊維が突き刺さり、取り除くことはできず、死に至るというものでした。治療の方法も病気の進行を止める手立てもありませんでした。実際、夫は、みるみる容態が悪化し、病名を告げられて一年半後、モルヒネで何とか痛みをおさえた状態で亡くなってしまいました。
私は、夫に何もしてあげることができず、オロオロしながらも、このような被害にあって何も言えないのではあまりにつらいと思い、建設アスベスト訴訟に参加することを決意しました。せめて夫に、法廷で訴えさえてあげたいと思ったからです。しかし、夫は訴訟の途中で亡くなり、自分の言葉で被害を訴えることはできませんでした。私は、夫にかわって遺族として法廷に立ち、夫が一生懸命に仕事に励んで家族を守ってきた50年近くの間、夫は現場でアスベストにばく露し、それによって生命を奪われたことを、何としても埋もれさせてはいけないと思い訴えました。
私が訴訟を思い立った当時は、一人親方については救済されていませんでしたが、現在は、これまでの全国の原告団・弁護団の努力や団結、そして多くの方々のご支援により、国や建材メーカーに対して勝訴し、一人親方についても国の責任を認める判決が固まりつつあります。
もっとも、これまでの裁判は大阪だけで既に9年近くかかっており、その間にも仲間の本人原告は病状が進み、何人もの人が亡くなっています。また、私たち遺族原告も高齢化が進んでおります。
現在、最高裁にかかっている1陣訴訟の判決が被害者にとってベストなものとなり、何としてもすべてのアスベスト被害者が救済されることを願ってやみません。それには、みなさまのご支援、盛り上がりが不可欠となりますので、どうぞ関心をもって見守っていただきますようお願い致します。
どうもありがとうございました。
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