アスベスト建材を運搬した運転手が国と和解
2022.06.072022年6月3日、大阪地方裁判所において、関西建設アスベスト大阪3陣訴訟の遺族原告Hさんと国との和解が成立しました。
Hさんは、1982年~2003年、尼崎市内でエム・エム・ケイ系列の運送会社でトラック運転手として、エム・エム・ケイが製造販売した石綿建材の運搬作業に従事。運送会社の営業所では石綿建材をプレカットしており、運搬した建材に付着した石綿や、運搬先の建設現場で飛散した石綿にばく露しました。
Hさんは、2016年11月に悪性胸膜中皮腫を発症し、2017年5月に労災認定。昨年(2021年)5月に建設アスベスト訴訟を提起しましたが、今年2022年2月に62歳で亡くなりました。訴訟は遺族が引き継いでいます。
建設アスベスト訴訟において運送労働者と国が和解したのは初めてです。
一般に、石綿建材の運送業務が石綿疾患の原因となることは良く知られています。厚労省が毎年公表している石綿労災認定事業場一覧表にも、石綿スレート等の運送作業の事例が散見され、石綿粉じんばく露作業として「スレート材の販売、配達、破損資材の片づけ」「石綿含有保温材の運搬等」などと記載されています。
建設アスベスト給付金制度では、建設業務の「準備」作業や「付随する」業務についても給付金の対象となります(給付金法2条)。
ご相談は、最高裁判決を勝ち取った大阪アスベスト弁護団(0120-966-329)まで。
建設作業に直接関わっていない方でも、給付金請求ができる場合がありますので、ためらわずにご相談ください。
○朝日新聞:アスベストを含む建材運搬 運転手遺族と国が和解 大阪地裁
○毎日放送:“アスベスト建材”運搬男性の遺族と国が和解 運搬が原因の被害者との和解は全国初
○共同通信:石綿の現場運送で初の和解、大阪 国が1300万円支払い
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