中皮腫患者の休業補償打ち切りは不当、長崎で不支給取消決定
2020.10.16
2020年10月9日(金)、中皮腫を発症し労災認定を受けた男性が記者会見し、長崎労働基準監督署が2019年12月以降、男性の症状が安定したとして、通院日した1日分を除き、休業補償を支給しなかった決定が取り消されたことを明らかにしました。労基署の不支給決定に対する不服申立(労災保険審査官に対する審査請求)が認められたものです。
男性は、会見で「医師から余命2年と宣告されたが、手術を行い2年が過ぎた。一日一日が奇跡だと思って生きているのに、監督署のこのような補償の打ち切りは許せない。中皮腫の患者がどういう気持ちで生きているのか、監督署にはもっと考えてほしい。アスベストの病気をもっと勉強すべきだ」と訴えていたとのことです。
一般に、中皮腫の特徴や病状を考えれば、発症後、働ける状態にまで快復することが困難なのは当然です。ただでさえ体調不良や症状悪化の不安を抱えながら生きている中皮腫患者対して、最低限の経済的補償である休業補償の打ち切りとは、あまりに理不尽で不当な仕打ちです。労基署には、猛省と再発防止の徹底を求めます。
*長崎 NHKS WEB[中皮腫休業補償の不支給取り消し]
*長崎新聞[中皮腫労災 休業補償減額 不服申し立て認定 諫早の男性]
*毎日新聞[中皮腫休業補償支給へ 長崎労働者災害補償保険審査官、労基署決定取り消し /長崎]
*テレビ長崎[「疾病により労働できなかった」労災保険の不支給処分を取り消し【長崎】]
*全国労働安全衛生センター[中皮腫患者に対する労災休業補償の「通院日のみ支給」取消し、全期間支給認める-長崎労災審査官決定]