全国初!石綿労災記録の不開示は違法-取消訴訟で勝訴
2019.06.09遺族が石綿被害者の労災記録の開示を拒否されたため、不開示処分の取り消しを求めた訴訟について、2019年6月5日(水)、大阪地方裁判所(三輪方大裁判長)は、不開示は違法と判断し、原告勝訴の判決を言い渡しました。本件は、遺族に対する労災記録の個人情報開示を争った全国初の判決です。当弁護団では、石綿被害者の救済に関わる様々な問題について、前例がなく困難が予想される案件についても果敢かつ徹底的に取り組んでいます。
遺族(原告である息子)は、泉南型石綿国賠について厚労省から個別通知を受け取ったため、兵庫労働局に石綿被害者である父親の労災記録の開示を請求しましたが、労災記録は「死者の個人情報」であって、「遺族本人の個人情報」ではないとして、開示を拒否されました。しかし、泉南型石綿国賠の和解要件を満たすかどうか、国賠訴訟を提起するかどうかを検討するにあたり、労災記録は極めて重要な情報あり、国からこれが開示されなければ被害者・遺族は救済が受けられません。
今回の判決は、死者(被害者である父親)の労災記録は、遺族が石綿被害者から相続した損害賠償請求権の発生要件が充足されているか否かを「直接的に示す個人情報」であり、遺族(原告である息子)本人の個人情報でもあるとして開示を認めました。
原告(神戸市在住)のコメントは次のとおり。「国に責任がある可能性があるから損害賠償請求の裁判をするようにと手紙が送られてきたため、国に労災記録の開示を求めたのに、遺族ということで1年以上も開示してもらえず、その間裁判を起こすことも補償を受けることもできず、理不尽な思いをしました。多くの方がアスベスト被害に遭われていると思いますので、できるだけ早く補償を受けられるようにして頂きたいです。」
*毎日新聞[アスベスト労災記録、不開示は違法 遺族の個人情報 大阪地裁]https://mainichi.jp/articles/20190605/k00/00m/040/298000c
*産経新聞[遺族への石綿労災記録の不開示処分は違法 大阪地裁判決]https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190605-00000624-san-soci
*読売新聞[石綿被害の労災記録不開示は違法、処分取り消し]https://yomidr.yomiuri.co.jp/article/20190606-OYTET50007/
*朝日新聞[労災記録開示命じる 石綿被害者遺族の開示請求訴訟]https://www.asahi.com/articles/ASM655CJGM65PTIL00D.html
*共同通信[石綿労災記録の不開示は違法 大阪地裁、元労働者の遺族勝訴]https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/429047
*時事通信[労災記録不開示取り消し=石綿被害の遺族勝訴-大阪地裁]https://news.infoseek.co.jp/article/190605jijiX837/
*NHK 関西 NEWS WEB[遺族に労災情報不開示違法の判決]https://www3.nhk.or.jp/kansai-news/20190605/0016241.html
*関西テレビ[『労災記録不開示は違法』大阪地裁がアスベスト健康被害で死亡した労働者遺族の訴え認める]https://www.ktv.jp/news/articles/66a1036dc2e24d3b9ca7c43e5f0a848a.html
*MBSニュース[アスベスト労災記録 遺族に不開示は『違法』]https://www.mbs.jp/news/sp/kansainews/20190605/GE000000000000028069.shtml
私たちにご相談下さい。
アスベスト被害に関するご相談は無料です。
アスベスト被害ホットライン
0120-966-329
(平日の10時~18時)
折り返し、
弁護士が直接ご連絡します。
- 私たちは建設アスベスト訴訟を提起・追行し、最高裁で賠償・救済を勝ち取りました。
- 詳しく見る >