【4陣訴訟】12月5日結審期日のご報告
2025.12.152025年12月5日、大阪地方裁判所第19民事部(大森直哉裁判長)において、建設アスベスト大阪4陣訴訟の結審期日が開かれました。
結審期日では、原告のKMさん本人、故KKさんの妻(遺族)であるKTさんから原告の意見陳述を行い、西川翔大弁護士、大久保貴則弁護士、加苅匠弁護士、村松昭夫弁護士が弁論を行いました。
原告のKMさんは、鉄骨工事に関わる図面製作業務において、現場でアスベスト粉じんを吸い込み、2018年7月3日に、悪性胸膜中皮腫との診断を受けました。右肺の胸膜を除去する手術を受けてから刃物で切りつけられたような痛みが続き、常に右胸から背中に痛みがあること、医療用麻薬の副作用によって幻覚に襲われること、手術を受けてから5年後に再発し、現在右肺が機能しておらず、息切れや呼吸困難に苦しんでいることなど手術後の状態や現在の病状について話していただきました。
また原告KTさんの夫である故KKさんは、45年間内装工事に従事し、2016年に悪性胸膜中皮腫により亡くなりました。KTさんには、夫が抗がん剤治療の副作用による吐き気や倦怠感、食欲不振などに苦しみ、体重が20キロ近く減少したこと、ほぼ寝たきりになって食事ものどを通らなくなっていく夫の姿、夫を亡くしたことの精神的苦痛や、夫の命を奪った建材メーカーを許さないといった想いについてお話ししていただきました。
西川翔大弁護士からは、石綿関連疾患による被害について説明しました。
石綿関連疾患による苦痛や絶望、それに伴い奪われる職人としての誇りや思い描いていた人生を破壊される苦しみなど、石綿関連疾患は、被害者をあらゆる場面で苦しめる残酷な病気であることを述べました。
大久保貴則弁護士からは、建材メーカーの責任について説明しました。建材メーカーは石綿の危険性を認識していたにもかかわらず、生命や健康よりも自社の利益の確保を最優先し、危険性を警告するどころか安全性をアピールして積極的に販売拡大を行っており、その責任は重大かつ悪質であり、最高裁判決後もなお争い続ける不誠実な対応を踏まえて判断を求めることを述べました。
加苅匠弁護士からは、吹付材メーカーの責任について説明しました。吹付材は、吹付工のみならず、吹付工以外の作業者に対し危険を及ぼしており、警告表示義務違反の始期を吹付工とそれ以外の職種で分けて考えることは不合理であること、吹付材の製造販売の期間が終了してからも一定期間は在庫品が残っており、現場で使用されていたことなどを踏まえて、被害者が現場で吹付材にばく露する可能性を検討する必要があることについて述べました。
最後に、村松昭夫弁護士から、今年8月の東京1陣訴訟、東京2陣訴訟と、大阪2陣・3陣訴訟の和解解決を踏まえて、全国の建設アスベスト訴訟において具体的な和解案が提示される流れになっており、裁判所に対し、本訴訟においても早期解決に向けて具体的な和解案の提示を行うように要請しました。
裁判所は、判決言い渡し期日は追って指定するとして明言せず、適切な時期に双方に和解案を提示することを述べて結審しました。
4陣訴訟は、ひとまず裁判所からの連絡を待つことになりますが、この間も被害の実態や原告の声を裁判所や建材メーカーに届けたいと考えています。
今後ともご支援いただきますよう、よろしくお願いいたします。
以上
以下は、弁護士による弁論のPDFです。
■「原告らの被害全般」(西川翔大弁護士)
■「建材メーカーの責任」(大久保貴則弁護士)
■「吹付材メーカーの責任」(加苅匠弁護士)
■「本訴訟の早期解決を」(村松昭夫弁護士)
私たちにご相談下さい。
アスベスト被害に関するご相談は無料です。
アスベスト被害ホットライン
0120-966-329
(平日の10時~18時)
折り返し、
弁護士が直接ご連絡します。

- 私たちは建設アスベスト訴訟を提起・追行し、最高裁で賠償・救済を勝ち取りました。
- 詳しく見る >





