屋根等のスレート工事に従事した外装工について国との和解が成立した事例(建設アスベスト訴訟)
2023.06.28被災者故Aさんは、長年、工場や倉庫などに屋根や外壁に石綿スレート波板などを施工するスレート工として働き、石綿肺で亡くなられました。
2019年5月17日の建設アスベスト訴訟最高裁判決は、もっぱら屋外作業に従事した屋根工について国の責任を認めなかったため、国は、被災者故Aさんについても、なかなか和解に応じませんでした。しかし、当弁護団で、調査・立証を尽くすことにより、屋根・外壁工事(外装工事)をしていた被災者故Aさんについても、国との間で和解による解決を実現しました。
そもそも、一般に、石綿スレート波板は、屋根に用いる場合も外壁に用いる場合も、現場の状況に合わせ、屋内と屋外の両方で加工します。工場や倉庫等の内部が広い建物に施工する場合が多いという特徴から、屋内で加工する作業者も多いのが実情です。また、建設現場近くに設けられた臨時の作業小屋やガレージ等の建屋内で加工作業が行われる場合もありました。
本件の場合、被災者ご本人の労災記録に屋内作業があるとの記載はありませんでしたが、元上司の方への聴き取り調査などによって、屋内での作業があったことを明らかにしました。それだけでなく、工場や大型建物での屋根工事において、スレート波板が屋根材として使用された際には、屋根の上での加工作業が危険であることから、建物内での加工が行われることが多かったという事実も突き止めました。さらに、被災者の奥さんが、雨の日にも被災者が屋根工事など外装材の施工工事の現場に出かけていたことを憶えていたことから、被災者が雨天の日には屋内での作業に従事していた事実を立証しました。
国が当初は和解には応じないと主張していたとしても、調査・立証活動を尽くせば、救済を受けられる場合があります。諦めることなく、お困りの点があれば、当弁護団までご相談ください。
(執筆担当者・西本哲也)
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