【建設アスベスト訴訟】河北新報社説「国は早期救済に乗り出せ」
2020.12.18
2020年12月18日(金)、河北新報が社説「建設石綿 賠償責任確定/国は早期救済に乗り出せ」を発表しています(以下は抜粋)。
国は18年に東京高裁判決が出た後、「時々の知見に応じ適切に措置を講じた」として上告した。建設アスベスト訴訟で、原告全面敗訴だった12年横浜地裁判決を除き、国は一、二審を通じて14連敗している。司法の流れが定着しつつある中、解決を長引かせたことは極めて残念だ。
最初の提訴から12年半がたち、亡くなる被害者も多い。国は重く受け止め、救済に乗り出さなければならない。
アスベストは潜伏期間が数十年に及ぶ発がん物質だ。関連する疾患で労災認定された人は19年度までに1万7000人を超える。建設業は6割近くを占める。裁判を起こしたのは一部にすぎない。
裁判を起こすことは、体をむしばまれた被害者にとって大きな負担になる。裁判をせずに迅速な救済を受けられる補償基金制度の創設を願っている。国は今度こそ司法判断を漫然と待つことなく、早急に取り組むべきだ。