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薬品箱の製作に従事した労働者について工場型国賠で和解成立

2025.03.15

学校の薬品保管箱などを製作する作業に従事した被災者の遺族と国との間で、国が総額1430万円を支払う旨の和解が成立しました。

被災者は、1968年から1975年の約7年間、親族経営の木工所で学校用品の製作作業に従事。百葉箱や黒板・時間割表の木枠など木製の学校用品を製作していましたが、このうち理科室の薬品保管箱には、耐火耐熱等のため石綿板が使われていました。石綿板を切断した際には、もうもうと石綿粉じんが大量に舞い、また、角を取るためにカンナ掛けした際にも、石綿粉じんが発生し、被災者はこれを吸い込みました。

その結果、被災者は、ばく露から50年以上経過した2020年に石綿による肺がんを発症し、翌2021年に亡くなりました。

 

被災者のご遺族から当弁護団へご相談をいただき、2024年4月に国家賠償請求訴訟を提起しました。

本件では、提訴に先立ち、被災者の労災記録を開示しました。

同記録には、被災者本人の言葉で作業の様子が具体的に語られており、有力な資料となりました。

(労災記録の開示方法はこちらをご参照ください)

 

他方、就労先であった木工所はすでに廃業しており、事業主の連絡先も分かりませんでした。また、社会保険記録上は被災者の就労歴が明らかでなく、木工所の存在や被災者の就労期間について、客観的にどのように立証するかがポイントとなりました。

連絡先の分かる元同僚は亡くなっていましたが、木工所の事業主は被災者の親族でしたので、戸籍を追って事業主の住所を調べ、弁護士からお手紙を出した結果、当時の事業主のお子さんにたどり着き、木工所の状況、被災者の就労期間について具体的に証言を得ることができました。

 

その結果、提訴から1年弱で、無事、和解成立となり、ご遺族よりお喜びの言葉をいただけました。

一般に、数十年前の就労歴や作業内容を証明することは極めて困難です。当弁護団は、豊富な経験とノウハウをもとに、個々の立証課題について複数の弁護士が調査・検討することにより、数多くの事件を和解成立に導いています。

アスベストに関する補償・救済については、お気軽に当弁護団までご相談ください。

 

(執筆担当:弁護士 村上彩子)

 

 

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