工場型アスベスト国賠訴訟において、ガラス製品製造作業の瓶ばさみに使用されたアスベスト製の紐から石綿にばく露した元労働者の遺族と国との和解が成立しました。
2023.05.22本年(2023年)3月17日、大阪地方裁判所において、日本硝子(株)(現日本山村硝子(株))の工場で働き、肺がんで亡くなった元労働者Mさんの遺族と国との和解が成立しました。
Mさんの労災記録によると、同工場での石綿ばく露作業が確認でき、肺がんとの因果関係はあるとされていました。しかし、石綿ばく露作業が具体的にどのような作業であったかは労災記録からは分かりませんでした。
そこで、私たち弁護団は、提訴後、国に対して、Mさんと同じ工場で働き、アスベスト疾患を発症して労災認定を受けた他の労働者の労災記録を開示するように求めました。
開示された労災記録からは、成形された高熱の瓶をつかむために使用する瓶ばさみにアスベストの紐が巻かれていたことが分かりました。アスベストの紐は、摩耗していくため、毎日2、3回取り替えが必要で、その際に、アスベストの白い粉塵が飛散していたのです。
被災者の労災記録から具体的な石綿ばく露作業が分からなくても、同じ事業所で労災認定された別の労働者の労災記録から、石綿ばく露作業が分かる場合もあります。もっとも、このような調査や分析には、専門的な知識と経験が必要です。
工場で働き、アスベスト疾患を発症しながら、石綿ばく露作業が分からないという場合も、多くの実績がある当弁護団に相談することをおすすめします。
(執筆担当:弁護士 坂東 大士)
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