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60年前にガスオーブン製造に従事、遺族と国との間で和解が成立

2025.10.17

 大阪のガス調理器具の製造会社(多田金属工業株式会社)に勤務し、ガスオーブンの製造などの作業に従事していた被災者Aさんの遺族と国との間で和解が成立しました。

 Aさんは、昭和33年から昭和39年まで、工場において、ガスオーブンの蓋の中に「いしわた」(石綿)の保温材を詰める等の作業に従事し、その際石綿粉じんにばく露しました。退社してから約60年後の令和5年、アスベストが原因の悪性胸膜中皮腫にかかり、翌年に亡くなりました。

 令和5年11月、北海道にお住まいの被災者のご遺族(子どもさん)からアスベストの電話相談を受け、その後、開示された労災資料の検討等をした上で当弁護団が受任し、令和6年4月、工場型の国家賠償請求訴訟を提起しました。

 労災資料の検討の段階においては、ガス調理器具の製造工場で被災された方は当弁護団で初めてでしたし、元同僚の方々の情報はなく、工場の運営会社は統廃合を繰り返し、労災資料だけでは現場の状況がよくわかりませんでした。頼りになるのは闘病中のAさんご本人の記憶だけでした。

 そこで、提訴にあたって、闘病中のAさんから工場の状況を詳細に聴き取りし、Aさん名義の陳述書を準備しました。Aさんは提訴直後に亡くなりましたが、裁判において、国から①被災者の具体的な作業内容と②局所排気装置を設置することにより相当程度被害の発生を防止できたかどうかを明らかにするよう求められると、すぐにAさんの陳述書に基づく回答を書面で提出しました。この工場では別の労働者がアスベスト被害で労災認定されていましたので、その方の労災資料を裁判上取り寄せる手続(文書提出命令の申立て)を行うなどした結果、提訴から1年3カ月で和解成立に至りました。

 前例がなく、証拠が乏しい事件であっても、弁護団の豊富な経験を活かし、速やかに準備をしたことにより、被害救済が実現したものといえます。

 石綿関連疾患を発症された方、お心当たりのある方は、迷わずお問い合わせください。 

(執筆担当:弁護士 奥田愼吾)

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