工場型石綿国賠、蒸留塔製作現場でのアスベストばく露被害について国との和解成立
2024.12.182024年10月17日(木)、蒸留塔の製作作業に従事し、石綿被害に遭った被害者の遺族が国に賠償を求めた訴訟について、大阪地裁で和解が成立しました。
被害者は、1961年4月から2004年9月までの間、化学機械製造会社で働き、2021年10月に悪性胸膜中皮腫を発症して、約2年間の闘病の末、2023年12月に亡くなった男性です。
被害者は、1961年4月から1975年3月までの間に蒸留塔の製作作業に従事した際、石綿粉じんにばく露し、労災認定を受けました。当弁護団で労災記録を検討した結果、国の責任が認められる可能性があると判断し、ご遺族は大阪地裁に提訴しました。
石綿肺や肺がん、中皮腫などの石綿関連疾患についての労災手続きでは、被害者の方の石綿粉じんばく露状況についても、調査が行われます。しかし、労災手続きの調査において、必ずしも工場型石綿国賠訴訟に必要な事実が明らかにされているわけではありません。そのため、本件でも訴訟提起後、被害者が従事した蒸留塔製作の作業内容、作業場所等、被害者の石綿ばく露実態を明らかにするため、会社への照会を行いました。被害者の部下であった会社担当者の方と電話等でのやり取りを重ね、さらには、被害者が働いていた現場の訪問、当時製作されていた蒸留塔の図面などの資料提供も受けました。その結果、被害者が従事した蒸留塔製作の作業内容等、石綿ばく露実態を明らかにすることに成功し、国との和解に至った次第です。
当弁護団では、これまで蓄積した豊富な知識・情報を最大限活かしつつ、1件1件の事件について粘り強い調査を行うなどし、工場型国賠訴訟での国との和解に尽力しています。何十年も前に従事した作業によって石綿粉じんにばく露し、アスベスト被害に遭われながら、救済に結びつかずに困っておられる被害者やご遺族の方々がたくさんおられることと思います。そのような皆様のお力になるべく、引き続き尽力してまいりますので、ぜひとも当弁護団にご相談ください。
(執筆担当:弁護士 西本哲也)
私たちにご相談下さい。
アスベスト被害に関するご相談は無料です。
アスベスト被害ホットライン
0120-966-329
(平日の10時~18時)
折り返し、
弁護士が直接ご連絡します。
- 私たちは建設アスベスト訴訟を提起・追行し、最高裁で賠償・救済を勝ち取りました。
- 詳しく見る >