電車車両製造会社に勤務し、溶接工として車両内部の吹付作業に従事していた被災者の遺族と国の間で和解が成立しました。

被災者は、昭和30年から昭和49年にかけて19年間、溶接工として石綿吹付作業に従事し、石綿粉じんにばく露し、胸膜中皮腫を発症し亡くなられました。当時の電車車両内部には断熱材として車両用吹付アスベストが用いられており、密閉した空間でその吹付作業が行われていました。

訴訟では被災者が溶接工とされていることから吹付作業をしたとの点について具体的な作業内容等を明らかにするよう求められましたが、国自らが労災認定において溶接工として吹付作業に従事したと認定していること等を主張し、和解成立に至りました。

電車車両製造に従事し石綿関連疾患を発症された方はまだまだ多くいらっしゃると思います。当弁護団では本件を含め４件の和解実績があります。作業内容や石綿ばく露の態様はそれぞれ異なりますので、お心当たりがある方はお気軽にご相談ください。