ナイロン製造のボイラー等の点検・補修作業による石綿ばく露事案での和解成立
2022.04.18
繊維事業等を扱う会社に勤務しナイロン製造の重合工程の運転に従事していた被災者の遺族と国の間で、和解が成立しました。
被災者は昭和32年から昭和55年までの22年間、ナイロン製造のために設置されている熱媒体ボイラーや反応塔に使用されていた石綿含有保温材について、定期的に点検・補修、オーバーホールをしていたことで石綿粉じんにばく露し、肺がんを発症し亡くなられました。
訴訟では、当時の作業場所の概要やボイラー等に用いられていた保温材の形状、具体的な作業内容、作業頻度等が争点となりました。被災者ご本人が亡くなられ同僚の方もみつからない状態で具体的な内容についての証拠収集は困難が伴いましたが、関係各所への調査等でこれらの点を明らかにし、和解成立に至ることができました。
(執筆担当者:弁護士 高橋早苗)