製薬工場のタルクによる中皮腫死亡、アスベスト労災認定
2020.11.03
2020年10月30日(金)、中皮腫・アスベスト疾患・患者と家族の会が札幌市で記者会見し、製薬会社に勤務していた女性が、ゴム手袋に付着していたタルク(不純物としてアスベストが含まれていたと考えられます)を吸い込んだため中皮腫を発症・死亡したとみられる事案につき、札幌中央労働基準監督署が労災認定していたと発表しました。
アメリカでは、タルク原料のベビーパウダーよるアスベスト被害をめぐって、ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)に対して約2万件の訴訟が提起されており、このうち今年10月に1000件余りの訴訟が決着したと報じられています。同社は1億ドル(約105億円)余りを支払い、和解することで合意したとのことです。
日本でも、これまでに製薬会社のほか、看護師やゴム工場の労働者の被害が報告されており、今後さらに、タルクによるアスベスト被害が顕在化することが予想されます。
アスベスト混入ベビーパウダー・タルク問題については、全国労働安全衛生センターが海外情報を含めた詳しい情報を提供しています。
*ブルームバーグ[J&Jがベビーパウダー訴訟約1000件を決着、105億円支払い-関係者]
*北海道新聞[ゴム手袋で石綿労災 札幌の製薬会社勤務の女性 道内初認定]
*全国労働安全衛生センター[製薬工場でタルク(アスベスト含有、ゴム手袋)にばく露し胸膜中皮腫、労災認定-北海道では初めて~札幌中央労基署]