石綿労災、潜伏期間を考慮して補償額を増額
2018.04.17
正社員時代に吸ったアスベストが原因で中皮腫を発症し、労災認定された被災者が、嘱託社員時代の低賃金に基づいて補償額が算定されたのは不当として処分の取り消しを求めた再審査請求中に、名古屋西労働基準監督署は、2017年11月、被災者側の主張を認めて補償額を見直し、正社員時代の賃金約2.2倍に増額しました。
労災の休業補償額は「発症前3カ月の平均賃金が基準」とされています。しかし、中皮腫や肺がんなどの石綿関連疾患は吸い込んでから発症するまでの潜伏期間が長いため、退職後の低賃金が基準とされるケースが多々あります。発症時期という偶然の事情によって被災者が大きな不利益を被らないよう、ルール作りが必要です。当弁護団も、患者の支援団体と共に、国に不利益の見直しやルール作りを求めています。
*毎日新聞[石綿労災 補償額倍に 正社員賃金で算定]https://mainichi.jp/articles/20180416/k00/00m/040/130000c