N工業事件(車両部品製造会社/ブレーキ・クラッチの研磨作業) - 大阪アスベスト弁護団

N工業事件(車両部品製造会社/ブレーキ・クラッチの研磨作業)

 2010年4月21日、大阪地方裁判所は、大阪府和泉市の車両部品製造会社(N工業)の元従業員Xさんが石綿肺(管理区分4)にかかった事案につき、Xさん及び介護していた娘Yさんへの慰謝料110万円を含め合計2400万円の支払をN工業に命じました。アスベスト関連訴訟で介護に対する慰謝料が認められた初めての判決です。

 Xさんは、1964年から1984年までの約21年間、N工業の工場で農業用機械のブレーキ及びクラッチの研磨作業などに従事しました。製品はクボタなど大手企業に納入されていました。ブレーキやクラッチ部品にはアスベストが含まれており、研磨に伴い石綿粉じんが飛散します。判決は、N工業には、局所排気装置の設置やマスク着用の指導などアスベスト対策を怠った違法があると判断しました。

 この判決の特徴は、患者原告の家族に対する慰謝料を認めたことです。アスベスト疾患は、患者は当然として、介護に当たる家族に重大な経済的・精神的被害をもたらします。Xさんは、2007年7月3日の提訴時には管理区分2であった石綿肺の症状が訴訟中に管理区分4に悪化し、寝たきりとなりました。介護の中心となったYさんは、一時は睡眠時間が2~3時間となり、勤務先も管理職からパートに降格となり、弁護士との打合せもままならないなどの不利益を被りました。そのため、仕事を犠牲にして母の介護を余儀なくされた娘Yさんも追加で原告となり、親族固有の慰謝料を請求していました。

 N工業は「国の責任こそ重大だ」と主張しましたが、だからと言って、従業員に対する安全対策を怠った企業の責任が免責されるわけではありません。なお、この事件は大阪高裁において裁判上の和解が成立しました。

私たちにご相談下さい。アスベスト被害に関するご相談は無料です。
  • アスベスト被害ホットライン 090-3273-0891

    ( 平日の10時~18時 )

  • 無料相談申込