【建設アスベスト訴訟】大阪1陣最高裁弁論、判決日は5月17日 - 大阪アスベスト弁護団

【建設アスベスト訴訟】大阪1陣最高裁弁論、判決日は5月17日

2021.04.20

2021年4月19日(月)、建設アスベスト大阪1陣訴訟について、最高裁第1小法廷(深山卓也裁判長)で弁論が開かれ、判決日が5月17日(月)午後3時に指定されました。

大阪1陣訴訟は、今年2月22日付け最高裁決定により、ほとんどの被害者について、国と建材メーカーの責任を認めた大阪1陣高裁判決が確定しています。

今回は、1陣大阪高裁判決が見直される可能性のある被害者2人について、遺族原告2人と弁護士4人が弁論。屋外作業従事者(屋根工)に対する建材メーカー(積水化学工業)と一人親方の解体工に対する国の責任が審理されました。

最高裁には、建築現場の実態を十分に踏まえた、不当な線引きのない公正な判断を求めます。当弁護団による最終弁論をご紹介しますので、是非ご一読下さい。

 

◆全ての被害者の救済の道を照らす公正な判断を

弁護士 小林邦子

1.本日の弁論期日をもって、現在第一小法廷に係属している4件の建設アスベスト訴訟は最高裁における審理を終えます。

最高裁におかれましては、現に裁判を闘っている被害者の救済のみならず、今後発生し続ける被害者の救済にとっても、正しい道標となるような判決をしていただくことを切に希望いたします。

2.訴訟は生き物です。絶えず変化し、揺れ動き、正しい結論を模索し続けます。これは建設アスベスト訴訟でも同じことです。私たちの闘いは、国にも企業にも全面敗訴という横浜地裁判決からスタートしました。しかし、全国各地の地裁、高裁が判断を積み重ねる中で、企業の共同不法行為責任が認められ、一人親方に対する国の責任が認められ、そしてここ最高裁においてもこれらの判断が確定するに至っています。これは10数年に及ぶ審理の過程で建築作業現場における就労実態、企業の市場シェアなどについて実態解明が進むとともに、各裁判所において妥当な解決を図るべく検討が積み重ねられてきたことの成果です。

3.では全ての論点に対して結論が出たのかというとそうではありません。本日の期日において取り上げられた論点は、各地の高裁判決において判断が分かれており、だからこそ上告が受理されたのでしょう。そうであれば、裁判官の皆様には、何が正義に適った結論であるのか、今一度、真摯に模索を続けていただく必要があります。

まず第1点目、一人親方に対する国の責任が認められながら、なぜ解体工だけが除外されたのか、この点については、最高裁が正しく見直しをしてくださることを確信しております。

そして第2点目、屋外作業について企業に危険発生の予見可能性があったか否か、これについては、是非とも実態に即した正しい判断をしていただきたい。私も、そしておそらくここにいる裁判官の皆様も建材を切断した経験はないでしょう。しかし想像することはできます。どんなに距離を置こうとしても最大限腕一本分の距離しかとれないところで石綿を含んだ粉じんがもうもうと湧き上がる、それを吸い込まずに済むなどということがあるでしょうか。それが屋根の上や建物の外であれば安全だなどとなぜ言えるのでしょうか。企業が屋外の作業については危険と分かりませんでした、知りませんでしたというのなら、なぜ風上で作業しろと説明書に記載したのでしょうか。

またそもそも「屋外」とは一体どういう状況を指すのか、これによって何が異なるのかということを今一度考えていただきたい。建物の中は屋内で、養生シートに囲まれた屋根の上は屋外なのでしょうか。「屋内・屋外」は自明の基準でしょうか。腕一本分の距離で発生する石綿粉じんの危険性について外気の有無がどれだけの意味を持つのでしょうか。

裁判官の皆様が、今まさに「屋内・屋外」という定規を手にとり、国の責任・企業の責任を画する線引きに使おうとしておられるのだとすれば、この基準は確固たるものでもなければ本質的なものでもない、事案の適切妥当な解決を導きうる定規では決してないことをご理解いただきたいのです。

4.以上を踏まえて裁判官の皆様におかれましては、ここにいるKさん、Yさんについてぜひとも公正かつ妥当な判断をしてくださいますようお願い申し上げます。

そして、これからも建設アスベストの被害者は発生し続けます。本日この法廷に来ている原告以外にも、解体工、屋根工、サイディング工などたくさんの被害者が2陣・3陣訴訟にいます。それ以降の裁判の原告としても出てくるでしょう。今ここで何の科学的根拠もない、そして使用に耐えない「屋内・屋外」という定規で線を引いてしまうと、将来にわたり取り返しのつかない不合理な結果を招くことは明らかです。

今後、被害者が司法に救済を求めたとき、個々の事案に即した公正かつ柔軟な解決を図りうる枠組みを提供しておくことが、最高裁判所の果たすべき役割です。

全ての被害者の救済の道を照らす公正な判断を下されることを切に希望して、弁論の締めくくりとさせていただきます。

 

 

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