大阪弁護士会:建設アスベスト訴訟最高裁判決を踏まえ、国及び建材メーカーらによる積極的な救済措置及び被害防止対策を求める会長声明 - 大阪アスベスト弁護団

大阪弁護士会:建設アスベスト訴訟最高裁判決を踏まえ、国及び建材メーカーらによる積極的な救済措置及び被害防止対策を求める会長声明

2021.05.27

2021年5月26日(水)、大阪弁護士会が「建設アスベスト訴訟最高裁判決を踏まえ、国及び建材メーカーらによる積極的な救済措置及び被害防止対策を求める会長声明」を公表しました。

国と建材メーカーにすべての建設アスベスト被害者を救済する基金等の創設を求めると共に、石綿健康被害救済法による給付水準の抜本的見直し、中皮腫の治療法の開発等の積極的推進、さらに新たなアスベスト被害防止のための万全対策について具体的な提言をしています。

建設アスベスト訴訟最高裁判決を踏まえ、国及び建材メーカーらによる積極的な救済措置及び被害防止対策を求める会長声明

1 最高裁判所第一小法廷は、2021年(令和3年)5月17日、大阪地方裁判所を含む各地で提起された建設アスベスト訴訟について、国の国家賠償法1条1項に基づく責任を認めるとともに、民法719条1項後段の類推適用により建材メーカーらの共同不法行為責任を認める判決を言い渡した。
2 アスベストは、健康被害を及ぼす重大な危険性が明らかであったにもかかわらず、耐火、耐熱等の特性があり、安価であったことから、あらゆる産業で様々な用途にアスベスト製品が広く普及した。一方、アスベストの危険性に関しては、国や建材メーカーによる情報提供や規制、対策が極めて不十分であったため、アスベスト製品の製造・加工・使用に伴うアスベスト粉じんの飛散により労働現場やアスベスト工場周辺などに重篤なアスベスト関連疾患が発生することとなった。とりわけ、わが国に輸入された約1000万トンのアスベストの7~8割が建材に使用されたため、アスベスト関連疾患による労災認定の約半数が建設作業従事者に集中し、その数はすでに8000名を超えており、現在も毎年約500~600名ずつ増え続けている。建設アスベスト被害は、アスベストに晒される様々な被害の中でもまさにわが国の最大のものである。
 本判決は、アスベスト製品の有する重大な危険を放置した責任が建材メーカーのみならず、国にもあることを改めて認めたものである。
3 本判決をふまえ、当会は、国及び建材メーカーらに対し次の点を求める。
 (1)アスベスト紡績業における工場型アスベスト被害については、大阪泉南地域にあった工場での被害事件において、2014年(平成26年)10月9日、国の責任を認める最高裁判決が出されたことを契機に、既に同判決が認めた基準で被害の救済が進んでいるが、建設アスベスト被害においても、国及び建材メーカーに対し、本判決を契機に、すべての建設アスベスト被害者を救済する基金や補償制度を創設し、被害救済を速やかに進めることを求める。
 (2)アスベスト被害は、最高裁が国の責任を認めた工場型被害、建設アスベスト被害にとどまらないが、職業ばく露以外の環境ばく露等の救済は、労災給付に比較して低水準の石綿健康被害救済法による給付にとどまっており、被害者間で救済格差が生じている。本判決が、アスベスト製品の有する重大な危険を放置した責任を認めた趣旨を国は重く受け止めるべきである。アスベストによる被害の甚大さに鑑み、国に対し、石綿健康被害救済法による給付水準を被害救済のため抜本的に見直すことを求める。
 (3)国に対し、アスベスト被害患者の切なる願いである被害救済の手段として、中皮腫の治療法の開発等を積極的に推進することを求める。
 (4)アスベスト含有建材が使用された建物は今なお200万棟を越えて存在しているとされており、建物の解体・改修作業、災害による倒壊やその後の復興作業、廃材の処理などにより、新たなアスベスト被害が発生することが危惧されており、被害防止対策も必要である。国に対し、建物解体・改修時や廃材処理時の規制を行うことのみならずアスベストを使用した建物を把握し安全な管理を義務づけること、工事等の事前調査及び分析調査実施者を公的資格化すること、作業中のアスベスト漏洩の有無を測定すること、規制の実効性確保のため零細事業主を支援することなどを含め、アスベスト含有建材を使用した建物の維持管理に関する規制・対策等を徹底し、万全な被害防止対策を講じるよう、強く求める。

2021年(令和3年)5月26日
        大阪弁護士会      
         会長 田中  宏
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